SUMMIT CREATIVE テンジン40L ロールトップ バックパック レビュー

 

 

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長いこと使用していたカメラバッグが傷んできたこともあり買い替えを検討していた。

同じメーカーの後継にしようかとも思ったが、そのタイプは現在の使用スタイルには合わなくなってきているので購入を決めかねていた。

そんな時に見つけたのが「SUMMIT CREATIVE」というブランドだった。

CP+2025の会場で話題になっていたので知っている方も多いのではないだろうか。

そこで見かけたカメラバッグはまさに私の理想が形になったようなもので、その日からずっとサミットクリエイティブの事ばかり考えてしまっていた。

大きさや色が豊富なため熟考に熟考を重ねていたところ、CP+当時はまだ発売されていなかったテンジン40L ロールトップが発売されたため、満を持して購入を決めたのだった。

何度か使用して、良い部分やちょっと理想と違った部分などが分かってきたので、今回簡単に紹介してみようと思う。

 

 

 

 

テンジン40L ロールトップを選んだ理由

テンジン40Lロールトップ

テンジン40Lロールトップモデル(グリーン)

CP+2025に展示された当初、国内ではテンジンロールトップは30L、50Lのみの展開だった。

30Lはコンパクトで機動性はあるが、100-400mmを付けた一眼レフ機をそのまま入れるには幅が足りない。
50Lは入れたい物がすべて入るが、CP+で見た印象では少し大きすぎる。

自分の要件から30Lは選択肢から外れるので50Lで決めようか、と思っていた矢先にテンジン40L ロールトップの国内販売が開始されたのだ。

海外のYouTubeでレビューを見ていたので、これしかないとすぐに購入を決めたのだった。

テンジン40L ロールトップ(高さ×幅×奥行き)58×33×22cm
テンジン50L ロールトップ(高さ×幅×奥行き)63×33×22cm

正直、サイズ的には両方とも大差ない。
仮に50Lを選んだとしても問題は無さそうではあるが、CP+で大きすぎるという印象が残っていたので今回は選ばなかった。

 

ちなみにテンジンにはロールトップ以外にもジップトップ(バックパック上部の長さが固定のタイプ)があるが、自分は最初からロールトップしか選択肢に入れてなかった。

ロールトップについては後述するが、欲しい時に広がり不要な時に畳めるスペースは自分が欲しかった機能である。

大きすぎず小さすぎず、いざという時や大荷物の時に広げられるロールトップ、テンジン40L ロールトップは今でも自分にとって最適解だったと思える。

 

 

カメラ用気室は容量調整が可能 用途に合わせて柔軟に対応

カメラ気室へは背面からのアクセス

カメラ気室へは背面アクセス構造となっており表側が接地するので、地面の状態を気にせずにバックパックを置いてカメラを取り出す事ができる。

以前のカメラバッグは表側が開くタイプだったため、カメラを取り出す際は背中パッドを地面に触れさせる必要があった。

もちろんそれぞれにメリット・デメリットがあるが、テンジン40L ロールトップの場合は使用シチュエーションが登山など悪条件下であるため、背面アクセスが合理的な判断となったのだろう。

実際、ラフにバックパックを転がして使ってみたが、カメラへのアクセスもしやすく、背中パッドに土や葉っぱも付かないので快適だった。

 

 

フレキシブルなカメラ気室

カメラ用気室はロールトップ部とスペースの調整が可能で非常に画期的である。

気室の調整方法やパターンに関しては当記事では触れないが、先日渓流へ撮影に行ったときのものを紹介していこう。

標準レンズとボディ、望遠レンズ、フィルター類、レリーズや予備バッテリーなど必要なものは全て入った状態だ。

個人的には角形フィルター一式がすっぽり入るのがお気に入りポイントで、今までは意外に大きいこのフィルターケースの持ち運びに苦労していたのだった。

望遠レンズの入っているスペースが不要な時は仕切りを下ろして、上部ロールトップの気室をさらに広げることができる。

蓋部分の小物入れは半透明で中身が分かりやすく便利、その裏にはノートPCも入れられるスペースがある。

仕切り板も複数枚付属してきてカスタマイズ性が高く優秀だが、その仕切り板のマジックテープが弱いことが気になった。
弱いと言っても完全に付かないとかではなく、端の部分が剥がれてしまう程度なので気にしなければ不便はないのだが・・・もう少し強ければキッチリ仕切れるのにと思う。

 

 

バッグ横からカメラ気室へのアクセスは混雑している場所で恩恵がありそうだ

バックパック横からカメラ気室ボディ部へのアクセスも可能だ。

蓋部分には小物入れも付いていて、こちらに予備バッテリーを入れるのも良いかもしれない。

アクセス性はというと、私の一眼レフ機でも引っかかるとかはなかったので、ミラーレス一眼であれば全く問題はないだろう。

ただ、開ける際にバッグ下部のベルトを外す必要があるため慣れが必要かと感じた。

とはいえ、混み合った場所での出し入れを考えた場合、ここからのアクセスが出来るのは非常に便利だと思う。

 

 

登山を想定した多彩な収納は評価大

ショルダーベルトの小物入れ

登山を想定したバッグだけに各部収納も豊富に設けられている。

左右のショルダーベルトには小物入れ、サイズ感は写真の通りですぐに取り出したいものなどを入れておく想定かと思う。

さらにショルダーベルト左の付け根にはハイドレーションのチューブを通す穴もあり、かなり本格的な装備にも対応している。

ただ、私の体型の問題もあるかと思うが、小物入れの場所はやや上に感じ、使用中に取り出しやすいかというとそうでもなかった。

他メーカーの同コンセプト商品ではショルダーベルトの物入れが便利そうなのに、ここは機能的にやや見劣りしてしまい残念である。

とは言えあれば便利なポケットなので、色々と試して活用していきたいところだ。

 

 

取り外し可能なウエストベルト

ウエストベルトは取り外しが可能となっており、アクティビティによって装着/非装着が選択ができる。

左側には大きめのポーチが付いており、スマホを収納するのにちょうどよいサイズだ。

右側はカラビナなどでアクセサリーを付けられるベルトになっている。

気になったのは、ウエストベルトのリリース時にバックル開放の動きが鈍く、何回かバックルを操作して緩めてやらないといけなかったところだ。

一気に開放されるタイプの登山バッグしか使ったことがないので、やや煩わしく感じてしまった。

しかしこのウエストベルトは脱着可能にも関わらず固定ウエストベルト同様の剛性感があり、かつポーチなどの使い勝手も良いので概ね高評価としたい部分だ。

 

 

正面収納はマチを広げることでかなりのスペースが生まれる

正面収納は内部にジッパー付きのメッシュポケットと開放タイプのポケットを装備。

ジッパーで閉じられているマチを広げてやることで7Lもの収納スペースにすることもでき、脱いだ衣類や踏み台など余裕で入るほどの大きさだ。

バッグの厚みが増すことが問題ないのなら、最初から広げた状態で色々入れてしまうのもアリである。

ここまで広がる正面収納はかなり使い勝手が良いので、ロールトップはもちろんジップトップでも収納力は相当あると考えてよいだろう。

 

 

使いやすいサイドポケット

サイドポケットは両側にあり、ドリンクを入れてもゴミ袋を入れても三脚を挿しても問題ない大きさだ。

特に良いと感じたのがベルトでポケットを締められる所で、ペットボトルの脱落防止にもなるし、意外にも背負った状態でも出し入れがしやすかったので便利だった。

メッシュの伸縮ポケットと比較すると、劣化が少ないのも期待できそうだ。

 

 

フレキシブルな収納力、ロールトップ天蓋の使い勝手は最高だった

ロールトップで収納力を一気に拡大できる

このバックパック最大の特徴とも言えるロールトップの天蓋は、荷物が多い時は伸ばして、少ない時は畳んでの運用が可能である。

例えば朝寒く日中は暑い気候のときなど、今までのカメラバッグだと脱いだ上着のやり場に困ることが多かった。

その場合は仕方なく強引にバッグに詰め仕込むなどしていたが、そうすると着衣にダメージが出るしそもそも機材が取り出しにくくなる。

しかしこのテンジン40L ロールトップではそういう悩みからも開放された上に、何ならお土産もそこそこ入ってしまうくらいの収納力がある。

写真の状態は上部気室が最小の状態(下部カメラ気室が最大)なので、カメラ機材を絞り込めばまだまだ入ることになる。

ギアの選定次第では夏のテン泊なら行けてしまうんじゃないかくらい入るので、まさに登山と撮影の両立を可能にするバックパックだと言ってもよいだろう。

 

 

登山バッグではスタンダードな中間アクセスも可能

先日の渓流歩きの時にはロールトップにレインウェア、ジャンパー、折畳み傘、ファーストエイドキット、食料と水を入れて歩いたが、当然容量にはまだまだ余裕があった。

上部気室は途中からのアクセスもできるので、底の方に入れがちなレインウェアなども容易に取り出すことができるのもポイントだ。

ただロールトップ内にはポケットや仕切りは無いので、入れたものがごちゃごちゃにならないようにスタッフバッグなどで整理しておくのがよいだろう。

 

他にも付属品としてレインカバー、トレッキングポール取付用ゴムバンドが付いてくるのと、正面下部のポケットにはヘルメットカバーが内蔵されている。

別売りアクセサリーも豊富で、収納力拡張やカスタマイズにも対応しているのも楽しい。

ただ付属のレインカバーは本体内にしっくりくる収納場所がないのと、そもそもバックパックが防水仕様なので、私は家に置いてきてしまっている。

 

 

 

 

 

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総評 サミットクリエイティブ テンジン40L ロールトップは買いなのか

豊富なバンドで三脚やアクティビティギアなどを固定可能

ここまで思ったままレビューを書いてきたが、最後に良い点・イマイチな点を個人的視点で挙げてみよう。

 

良い点
・大きすぎず小さすぎず最適なサイズでありながら、ロールトップやマチの開放で場面に合わせて収納力が上げられる。
・登山バッグとカメラバッグに求めていた両方の要件を満たしており、こういうのが欲しかった人には刺さる商品。
・ウエストベルトの取り外しが可能にも関わらず、装着時には固定モデルのような質感と剛性感があり安心できる。

イマイチな点
・カメラ気室の仕切り板のマジックテープが弱く、剥がれ落ちるまではいかないが仕切りとしては心もとない。
・バックパックを下ろす際、ウエストベルトのバックルのリリース動作が悪く、緩めるのが煩わしい。
・ショルダーベルトの小物入れの位置がやや高くて使いにくい。

 

今まで使ってみてざっとこんな印象だったが、個人的な感想なので参考程度にしてもらうのが良いと思う。

結論としてテンジン40L ロールトップは買いであると思う、むしろ迷ってるならさっさと買うべきだろう。

 

写真を撮るために自然の中に入ったりする場合はもちろん、撮影旅行というだけでも機材とそれ以外の荷物の両立が実現できる。

私が今回選んだのは40Lのロールトップだが、他にも30Lと50Lのロールトップもあり、更にジップトップのモデルも多数用意されているので、多くの人の要件に対応できるラインナップも魅力だ。

迷うとすればカラーだろうか、私のグリーンの他にオレンジ・シャンパーニュ・ブラックがあり、どれも捨てがたく悩んでしまうところだ。

同コンセプトの他社製品、つまりShimodaと比較検討する人も多いと思う。
私も色々検討した結果、あちらのコアユニットがどうも好きになれず、シンプルなものを探していたところ出会ったSUMMIT CREATIVE。

しばらくはこのバックパックと共に行動していくことになり、撮影旅行がまた楽しみになってきた2025年なのであった。