碧く輝く透明の海 柏島でみたイルカの親子と、おおつき海鮮食堂の藁焼き盛合せ

 

 

bar_introduction

2024年のゴールデンウイークは四国旅行にやってきていた。

が、全国的に天気が芳しく無く、四国も例外なく雨天が続いていたのだった。

四国入りして2日ほど雨空を見上げながら過ごしていたが、ようやく柏島の周辺に晴れ間が覗きそうということだった。

柏島はそのあまりにも碧く澄んだ海が有名な観光地である。

いつかは訪れたい場所でもあったので晴れ予報はまさに僥倖で、この際一瞬でも良いから噂に高い「柏島ブルー」を拝みたいものである。

そんな希望を抱きながら、広い高知県の最南西にある柏島へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

ber_today

 

柏島では生け簀でマグロの養殖を行っている

前日に大月町まで移動して日帰り温泉を満喫した後、柏島にほど近い道の駅で夜を明かした。

早朝の空は、あいも変わらずどんよりと曇っていて、晴れるどころか雨が降りそうなほどだ。

本当に晴れるのだろうかと思いながらも、とりあえずは柏島の散策をすることにしよう。

最初に立ち寄った売店で聞いた話では、なんとこの湾には野生のイルカが居着いてるとの話だった。

早朝から生け簀の周りは作業の方が忙しそうにしており、イルカもその餌のおこぼれを目当てにやってきているのだろうか。

 

 

ようやく晴れ間が広がってきた柏島の全景

やはり、イルカは生け簀の近くによく現れるらしい。

せっかくなので一目見たいと思い漁港の周辺を散策していたが一向に見当たらず、その後はビーチに行ったり灯台に行ったりと、早朝からひと通り柏島を歩いてしまって疲れてしまった。

しばらく駐車場で野良猫と戯れながらのんびりと過ごしていると、まるで霧が晴れていくように青い空が広がりだしたのだった。

 

 

柏島には日本の魚種の1/3が生息していると言われる

柏島の観光の名所である柏島ビーチは噂通りの透明度で、太陽の光を受けるとまるで宝石のような鮮やかな碧になっていた。

連休中とはいえ曇天の予報だったので観光客もまばらな日だったが、ふと現れたひと時の晴れ間は皆の顔を明るくするのに十分なものでった。

 

 

柏島ビーチに現れたイルカの親子

「あっ!イルカ!」と誰かが声を上げたので湾内に目を向けると、湾内を優雅に泳ぐイルカの親子がそこにいた。

ビーチも陽が高くなるにつれ、イルカの全身がはっきりと視認できるほどになっていた。

普段は生け簀の周辺にいるとの話だったが、この美しい柏島ビーチで泳いでいる姿が見れたのはこの上ない幸運だ。

そう思いながら、周囲の皆と一緒に興奮気味でシャッターを押したのだった。

 

 

柏島に住むイルカの親子はニュースにも取り上げられている

調べたところ、このイルカたちはミナミバンドウイルカの母子で、カシワちゃん(母)とシマちゃん(子)というらしい。

2019年に確認されて以降、この柏島に居着いているのだそうだ。

同一の個体が湾に定住するのは非常に珍しいらしく、イルカ次第ではあるがこれからも元気でここに居てほしいものである。

 

 

ボートが通るたびにイルカが先導するように船首へつく姿が見られた

柏島は有数のダイビングスポットで、たくさんのダイバーを乗せた船が頻繁にビーチを往来している。

そんな船が通るたびに、イルカが脇から追い抜かして先導するように船首に付いていた。

意気揚々と船と泳ぐ姿は遊んでいるようにも見え、イルカもここが楽しいから住み着いているのかなと想像を膨らませたのだった。

 

 

柏島には猫も多く住んでいる

夢のような景色を見れた時間も束の間。

正午過ぎにはまた雲が多くなり、青空はすっかり見えなくなってしまった。

そういえば、散策に夢中で食事もまだ食べていなかったので、来る途中で見かけた食処で昼食をいただくことにした。

 

 

豪華な藁焼き盛り合わせは見た目も味も素晴らしい

大月町にある「おおつき海鮮食堂」はチャレンジショップという形態で出店している店舗だ。

高知県に来たのだからやはり鰹の藁焼きをと思い来店すると、なんとこちらには藁焼きの盛合せがあるとのこと。

鰹はもちろん、鯛、鰤、そして鶏の藁焼きを盛り合わせた一皿は見た目も賑やか。

備え付けのタレの種類も豊富で、鶏の藁焼きには塩ダレが合うな、などと楽しみながら食べることができた。

 

 

大堂山展望台は一番高い場所から柏島を望める場所

もしかしたら夕日のワンチャンスがあるかもしれない。

そう思い、一縷の望みをかけて大堂山展望台へと登り夕方までの数時間を過ごしてみた。

が、残念ながら空を覆った雲が消えることなく、この日の旅は終わりを迎えたのだった。

出来れば、この大堂山展望台から碧い海や夕陽に染まる柏島を見てみたたったが、それはまたの機会の楽しみとしよう。

 

 

 

 

 

ber_afterword

 

島内随一の観光名所である柏島大橋

高知県最西端に位置する柏島の訪問は、実は今回の旅の予定には入っていなかった。

何度も繰り返してしまうが、とにかくゴールデンウィーク中の四国の天候が悪く、行く先を決めるにも天気予報次第という状態だった。

そんな風に晴れ間を探しながら旅をしていた都合で、この日は唯一晴れマークの付いていた大月町に来たという具合だ。

柏島は高知市内からでもかなりの距離になるので悩んだが、どうせ何処にいても曇りだからと思い切って来てみて本当に良かったと思う。

ただ、確かに晴れ間の下で碧い海を拝むことは出来たが、それでも本来の柏島の美しさは見れていないだろう。

ここは抜けるような青空の時に、再び訪れてみたい場所だと思う。

その時にはイルカの親子にもまた会いたいものだ。