
私は9月の三連休にとある用事のため、前乗りで高岡を訪れることになった。
高岡市は富山県第二の都市で伝統工芸や歴史的建造物が数多く継承されている歴史の街である。
さて、富山といえば藤子不二雄のお二人の出身地ということは以前から知るところであったが、藤子・F・不二雄氏の故郷である高岡に関する知識は皆無に近いものだった。
そこで高岡について調べてみると、街の至る所に藤子・F・不二雄氏の世界が散りばめられていると聞いて、短い時間ではあるが高岡で藤子・F・不二雄巡りをすることにした。

高岡で藤子・F・不二雄の作品にふれる
![]() |
東京駅に入線する北陸新幹線
三連休の北陸という人の多そうな時期にも関わらず、幸運なことに射水市でリーズナブルなホテルを取ることができた。
なので今回は車中泊ではなく、久しぶりの新幹線での移動だ。
奮発してグリーンを予約しておいたので、のびのびとお酒を飲みながら車窓を楽しめる。
しかし、つい調子に乗って駅弁をふたつも買ってしまい、新高岡までに食べきるのに苦労してしまったのだった。
![]() |
高岡おとぎの森公園にある「空き地」
新高岡駅で新幹線を降りると、まずは徒歩で高岡おとぎの森公園へ向かう。
ドラえもんではあまりにも見慣れた風景である「あの空き地」がここに再現されているのだ。
天気はあいにくだったものの、ドラえもんたちは普段から大切にされているのがうかがえる綺麗さだった。
ちなみに土管の中は入れない。
![]() |
高岡駅前のドラえもんの散歩道は入れ替わり観光客が訪れていた
次は高岡駅へと向かい、駅前にある「ドラえもんの散歩道」へやってきた。
ドラえもん達の銅像が展示してあるウイング・ウイング高岡広場は高岡駅の正面にあり、訪れた人が最初に見るであろうドラえもんだ。
![]() |
万葉線で運行されているドラえもんトラム
高岡~越ノ潟間を運行する万葉線にはドラえもんトラムが走っているとのことで、それに乗って高岡市美術館へ向かうことにした。
高岡駅へ入線してくるドラえもんトラムは想像以上にドラえもん一色で、大人でも思わず心が弾んでしまう。
![]() |
車内は細かいネタなどで溢れていて楽しい
車内もドラえもん一色。
かなり細かいところまで凝った装飾があり大人でも、むしろ大人の方が楽しめるほど凝った装飾だった。
![]() |
高岡市美術館へは志貴野中学校前駅から徒歩
目的の高岡市美術館では「高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」が常設展示されており、最寄りの志貴野中学校前駅には大きな看板が設置されている。
![]() |
道中の案内のように看板が設置されていた
美術館まではしばらく徒歩になるが、道中の看板も藤子・F・不二雄をモチーフとしている。
氷見線の越中中川駅の方が最寄りとなるのだが、初めての訪問なら万葉線のドラえもんトラムには乗っておくのをお勧めしたいところだ。
![]() |
ギャラリーには等身大のドラえもんが設置
志貴野中学校前駅から10分ほど歩き、高岡市美術館にやってきた。
藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーのある2階へ登ると大きなドラえもんが出迎えてくれる。
![]() |
懐かしいデザインのドラえもんの銅像
連載当初のデザインのドラえもん銅像。
この頃は感情もそれほど豊かではなく、割と事務的なキャラクターだった印象。
![]() |
どこでもドアの先が展示室となる
どこでもドアの向こう側が展示室で、この先は撮影禁止となる。
貴重な展示物の数々やここでしか見られない映像など、ここはまさに藤子・F・不二雄氏の足跡を辿る旅の入口となっていた。
![]() |
パネルの前では記念撮影ができる
出口に設置されているパネルでは家族連れが入れ替わりで記念写真を撮っていた。
すべての展示が素晴らしく、私の世代は特に熱く感じるものがあるギャラリーだった。
![]() |
高岡駅~ギャラリーの道中はブロンズ製のキャラクターが
帰りはトラムには乗らずに、道中にある高岡銅器のキャラたちを回収しながら高岡駅まで歩くことに。

はなびのモダン焼き
![]() |
射水市の鉄板大衆酒BARはなびのモダン焼き
この日はそのまま射水市のホテルまで帰ってきてしまい、近隣はお好み焼き屋が1店営業しているだけだった。
一人客だと嫌がられるだろうかと不安だったが、幸い親切に応対いただきテーブルに着くことができた。
メニューで人気がありそうな「モダン焼き」を注文することに。
![]() |
驚くほどふっくらと焼き上がっていて口の中では溶けていくように柔らかい
このモダン焼きは私が今まで食べた粉物のなかでもかなり美味いものだった。
正直、食材はありふれたものだろうが、とにかく焼き方が上手いのだと素人の自分でも理解できる。
ハッピアワーでビールもたらふく飲んで、良い時間を過ごさせてもらったのだった。


![]() |
別件の前の少散策と言った感じの高岡観光であったが、高岡に散りばめられた藤子・F・不二雄の作品たちを存分に楽しむことができた。
先日、大山のぶ代さんもこの世を去ってしまい、少年時代に多大な影響を受けた私の時代のドラえもんはもう終わりつつあるのかもしれない。
しかしドラえもんは新しい形となり今の時代に継承され、現代の子どもたちのものとなり引き続き愛されている。
私は私のドラえもんを忘れずに、この先も大切にしていこうと思う。
©makotomatic.com