「そうだ、NASを更新しよう」
暇を持て余していた正月休みに、ふと思い立って自宅のPC環境を一新した。
というのも既存のNASがあまりにも遅すぎて、格納したRAWデータを整理するのもままならない状況になってしまったのだ。
現在進行形でメモリが高騰しているのもあり、手遅れになる前にPCとNASを更新しなくてはならない。
老朽化した機器を一新し、さらにネットワークを2.5GbE化することで、転送速度の向上を目指すことにした。
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2014年から稼働している我が家のTS-421
既存のNASである「QNAP TS-421」を導入したのは、調べてみたらなんと12年も前であった。
12年もの間データを守り抜いてくれたことを評価して、今回もQNAPのNASを購入することにした。
もちろんQNAP同士であれば簡単にHDDが移行できるのも理由だが、NASのような機器においてはメーカーの信頼性や存続性が大事であり、自分としてはQNAPは最も安心できるメーカーと考える。
まずはネットワークを2.5GbE化
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取り急ぎネットワークを2.5GbE化
まずは既存のNASのままで、PCをMac mini(10GbE)に、HUBをプラネックス製の2.5GbE対応のものに交換した。
まずはNAS以外の機器を交換したことで、1GbEの速度が改善したか確認してみたい。
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Mac mini(2.5GbE)+FX2G-08EM2(2.5GbE)+TS-421(1GbE)
計測前の体感で分かるほど転送速度は全く改善しておらず、実際の数値をみたところかなり悪いことが分かった。
1GbEの実効速度である125MB/sと比較して読込みも書込みもかなり遅く、当然ボトルネックとなっているのは既存NASということになるだろう。
昔はそれほど不満を感じてなかったと思うので、使っているうちに色々と重くなってきたのだろうと推測できる。
おそらく最新のQTS(NASのOS)がTS-421にはもう重すぎて、メモリを食いすぎてしまっているのではないだろうか。
NASをTS-464−8G(2.5GbE)に交換
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基本性能も高く拡張性も備えたTS-464-8G
NASの選定には少し迷ったが、NAS自体がボトルネックとならないよう性能の良い「TS-464−8G」を選んだ。
標準2.5GbEで拡張スロットで10GbEにもアップグレード可能、メモリは8GBで最大16GBまで増設可能、M.2スロット搭載でSSDキャッシュ使用可能、と将来的な拡張も十分な機種だ。
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リビングに置いても違和感がないモダンなデザインのTS-464-8G
あまりNASには見えないモダンな外観が気に入った。
TS-421にあった表示板などは無く、右の各アイコンに配置されたLEDのみとなっている。
LEDはディマー機能があるので、起動後にQTSで明るさを調整できるのがとても良い。
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同じ4ベイモデルだが本体とアダプターはかなり小型化している
TS-421とTS-464-8Gを並べると一回り小型化されているのがよく分かる。
ACアダプターも小型化されたおかげで、ケーブルボックス中に収めやすくなった。
ただ、個人的には本体の大きさはTS-421くらいでも良いので、電源を本体内蔵にしてほしかったと思う。
QNAPのHDD移行は差し替えるだけで可能
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旧NASからHDDを取り外す際はHDDの順番を分かるようにしておくこと
QNAPのNASは下記サイトで互換性が確認できれば、HDDを差し替えるだけで設定とデータが移行できる。
→ QNAP NAS 移行の互換性 https://www.qnap.com/ja-jp/nas-migration
バックアップは事前に済んでいるので、まずは既存NASをシャットダウンしてHDDを取り出す。
HDDの順番が分からなくなるとアウトなので、必ず識別できるようにしておこう。
私は外したHDDに番号を書いたのみだったが、出来れば外す前にトレイにも書いたほうが安全である。
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QNAP同士なら互換性があるのでHDDを取り付けるだけで移行ができる
新しいNASに取り外したHDDを順番通り挿入する。
確実に装着されたことを確認したら電源を投入するのだが、初期だとNASのIPアドレスが自動振り分けされてしまうので、あらかじめQfinderをインストールしておくほうがスムーズに設定できる。
→ Qfinder Proダウンロードページ(公式) https://www.qnap.com/ja-jp/software/qfinder-pro
TS-464の起動と設定、ややトラブル発生
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Qfinderで新NASをネットワーク内から探す
HDDを移行した新規NAS「TS-464-8G」をネットワークに接続し電源をオン、ビープ音で起動したのを確認したらQfinderを立ち上げてTS-464を見つける。
既存NASでは固定IP「192.168.1.56」を設定してたがそれは移行されないらしく、「192.168.1.222」が自動で振り分けされて起動した。
認識したNASのIPアドレスの隣には2.5Gの表示が出ていて、どうやら問題なく2.5GbEで接続されているようだ。
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ネットワークと仮想スイッチをインストールしてネットワーク設定を行う必要がある
まずはIPを固定しようとしたところ、ネットワーク設定に必要な「ネットワークと仮想スイッチ」というアプリがインストールできないトラブルが発生した。
何度やっても未インストールの状態になってしまうので、とりあえずファームウェア更新・再起動をかけてみたところ無事にインストールすることができた。
IP固定→ファームウェア更新の順番で作業しようとしていたのが間違いだったのか、よく分からないがネットワーク設定に必要なソフトは最初からインストールしていてほしいものである。
以降は何事もなく設定ができて、移行したHDD内のデータも無事に確認できた。
まずは2.5GbEでの速度計測で満足な数値 1GbEでも安定
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Mac mini(2.5GbE)+FX2G-08EM2(2.5GbE)+TS-464-8G(2.5GbE)
新規NAS「TS-464−8G」が無事に稼働したので、いよいよお楽しみの速度計測を実施した。
書込み255.7MB/s、読込み267.3MB/sと、おおよそ平均的な実効速度と同様の値が出ることを確認。
実用面でのテストでは、Lightroomでのカタログへの読込み・操作・書き出しは不便無いレベルで使用でき、内蔵HDD→NASへのRAWデータ移動も転送テスト通りの数値を体感で感じることが出来た。
まずは2.5GbEの性能がちゃんと出ていて一安心というところだろうか。
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Mac mini(1GbE)+FX2G-08EM2(2.5GbE)+TS-464-8G(2.5GbE)
次に、Macのイーサーネット設定を1GbEに落として計測、1GbEにおいても実効速度近くを安定して推移してくれた。
念の為windows機(1GbE)での計測もしてみたが同様の結果で、正直100MB/sでもかなり快適に感じてしまったほど。
今回の更新でメインがMac miniになり、サブ機になった自作win機の処遇を考えていたが、これなら1GbEのまま運用していっても当面は問題なさそうだ。
ポートトランキングを設定 2.5GbE✕2で認識
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ポートトランキングの設定もインターネットと仮想スイッチから行う
TS-464−8Gには2.5GbEイーサーネットが2ポートついているので、試しにポートトランキングを設定してみることにした。
ポートトランキングとは複数のイーサーネットポートを束ねて1つの高速ポートにする機能であり、「ネットワークと仮想スイッチ」から設定することができる。
私の場合は「インターフェースはAdapter1+Adapter2」→「一般スイッチ」→「Active-Backup」と設定し、無事に2.5GbE✕2のポートトランキングを設定することが出来た。
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Mac mini(2.5GbE)+FX2G-08EM2(2.5GbE)+TS-464-8G(2.5GbE✕2)
そこで2.5GbE✕2で速度計測をしてみたところ、2.5GbE✕1と変わらない数値となった。
当たり前である。
なぜならスイッチングハブが2.5GbEまでなので、仮にポートトランキングで速度が倍になったとしても、2.5GbEの実効速度である200〜300MB/sを超えることはない。
スイッチングハブを10GbE対応のものに替えればポートトランキングの効果が分かるのだが、色々情報を集めたところ「帯域は広がるが速度は変わらない」という話が多かった。
帯域拡大といってもNASにアクセスするのは私だけだし、速度向上を目指すならポートトランキングより10GbEイーサーネット拡張ボードの方が効果が大きそうだ。
というわけで、ポートトランキングは現状あまり意味はないが、せっかく設定したのでこのまま運用することにした。
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自室に設置するなら発熱・騒音の観点から2.5GbEが現状無難か
とりあえずは無事に2.5GbEでNASに接続できる環境を整えられて満足である。
2.5GbEは現状の用途では満足の速度ではあるが、TS-464-8Gにはまだ拡張の余地が残されているので整理してみよう。
・HDDの更新はどうか
これはマストである。
12年も使っていてS.M.A.R.Tで確認してもエラー無く良好な状態なのはさすがWD REDというところだが、さすがに交換しないと危険だと思われる。
現在は3TB✕4をRAID5で運用していてまだ余裕は残っているが、QNAPのNASは運用中の容量拡張も簡単にできるので、将来を考えて6TB✕4に拡張したいところだ。
RAID5なのでリビルド中に1つ壊れでもしたらアウトになるため、HDDを更新の時は必ずバックアップを取らなくてはならない。
・10GbE化はどうか
10GbE化は速度アップへの一番の近道だ。
しかしNAS用の10GbE拡張ボードと10GbE対応のスイッチングハブで6万円以上のコストがかかるのと、発熱がかなり大きいと聞くのでランニングコストや生活への影響が気になるところだ。
私のNASの使用用途は「たまに覗きに行く倉庫」であるため、あまりアクティブで無いことを考えると2.5GbEでの使用が現状ベストだろう。
とはいえ、単純に速度が上がるのを見てみたい気持ちもあるので、ふと思い立って10GbE環境を構築するかもしれない。
・SSDキャッシュや内蔵メモリ増設はどうか
メモリ増設はQTSが軽くなるが、転送速度には寄与しないだろうという話だ。
しかしSSDキャッシュに関しては、かなり転送が快適になるという情報があった。
ただM.2 SSDは相場が値上がりしているため落ち着くまで手は出せないし、そもそもキャッシュの恩恵を最大限得るには10GbE化を先にするべきだろう。
そうすると10GbE化の発熱に加え、M.2 SSDの発熱も加わるので、「たまに覗きに行く倉庫」に高速エスカレーターを設置するのかという話になってきてしまう。
いくつかの拡張の余地について考えてみたが、まずはHDDの交換を行うのが最優先の作業だろう。
その先の10GbE化などは、コスパの観点からあまり重要視はしていないというのが正直なところだ。
とりあえず現状は2.5GbEで満足としておいて、10GbEはいつでも移行可能なオプションという位置づけで運用していこうと思う。
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