西沢渓谷の奥地に佇む美しき名瀑・七ツ釜五段の滝と、かざはなの自家製パスタ

 

 

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西沢渓谷の奥深くにある「七ツ釜五段の滝」は秘瀑というにはあまりにも有名である。

紅葉に包まれた七ツ釜五段の滝を訪れたかったのだが、山間の紅葉はごく短い期間のためタイミングが合わないまま数年が過ぎていた。

2019年の秋はちょうど見頃の時期に休日・晴天が重なったので、何よりも最優先で西沢渓谷を訪れることにした。

 

 

 

 

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西沢渓谷西沢ゲート

西沢ゲート

西沢渓谷の入り口近くにある「道の駅みとみ」付近の駐車場へ車を停めて入渓する。

自分はトイレと自販機の都合で道の駅側の駐車場に停めたが、西沢渓谷入口に一番近い駐車場は早朝にも関わらず既に満車だった。
紅葉のシーズンは週末のみだと1~2回しか見頃のチャンスがないので、晴天のこの日は混み合って当然という具合だ。

 

 

西沢渓谷二又吊橋

二又吊橋

西沢渓谷は道中が狭いため原則として一方通行となっている。

七ツ釜五段の滝までの往路は渓谷沿いを歩いていくコースで、二又吊橋を渡るといよいよ川沿いの気持ちの良い散策路に入る。
高低差もなく初心者・中高年にも優しいコースだが、足元は岩だったり増水して濡れる事もあるので、最低限の登山装備は必須となる。

 

 

西沢渓谷三重の滝

三重の滝

道中は様々な滝の連続だ。

西沢渓谷が人気の理由のひとつは見事なコバルトブルーの水の色である。
これは波長の短い青い光が水底の花崗閃緑岩に反射することによって見える色で、この渓谷を流れる澄んだ水がその発色を可能にしているということだろう。

 

 

西沢渓谷台風被害

台風による増水の爪痕

2019年は各地で未曾有の台風被害が発生した年でもあった。

この西沢渓谷でも増水によってコースが水没したと聞いていたが、鎖の支柱が水流で捻じ曲がってしまっていた。
それでも各所には応急処置がされていて、問題なく前に進めることにはただただ感謝である。

 

 

西沢渓谷遊歩道

往路は渓谷沿いを進んでいく

西沢渓谷が一歩通行となっているのは、こういう登山道が多いことが理由である。

他にも岩を飛び越える箇所もあるので逆走は禁止、そして繰り返すが最低限の装備は必要となっている。

 

 

 

 

西沢渓谷七ツ釜五段の滝

スタートから約5kmほど歩いて、目的地の「七ツ釜五段の滝」に辿り着いた。

台風の影響で紅葉は淋しげではあるが色付きは悪くなく、その間を宝石を溶かしたような青色の水が絶え間なく流れ落ちる様は言葉に出来ないほど美しい。

行く前は登山道に三脚は立てられないしどうしたものか、と考えていたが現場について全て理解した。
先人に習って三脚を立て、そのあまりにも有名な滝の姿を自分も収めることが出来たのだった。

 

 

西沢渓谷休憩所

中間地点にて昼食

実は七ツ釜五段の滝が西沢渓谷の最後の滝でなく、その奥に不動滝が控えている。
こちらも美しい滝ではあるものの、遠目に眺めるのがやっとの距離なのでお見せ出来るような写真は撮れていない。

その不動滝をかすめて登山道を登りきった場所に、西沢渓谷深部唯一のトイレを有する休憩所がある。
ここでチップトイレをお借りして身軽になったところで昼食タイムを決め込んだ。

しかしデイリーヤマザキのおにぎりはあまりにも不味い。
山奥で食う飯は3倍美味いというが、このおにぎりには全く無力であった。

 

 

西沢渓谷迂回路

復路はトロッコ跡を辿っていく

折り返してからの往路は、かつて木材を運び出していたトロッコの軌道跡を歩いていく。

渓谷沿いに比べてつまらないという意見もあるが、ぼく的にはこちらの道のほうが好みだった。
西沢渓谷を見下ろす斜面沿いに歩いていく高度感やトロッコの軌道の名残などが楽しく、何より渓谷沿いよりも紅葉が美しく写欲も満足させてくれる道だった。

 

 

西沢渓谷ネトリ橋

ネトリ大橋を渡ると往路へ合流

復路を歩き続けて行くとネトリ橋と名付けられた大きな橋に出る。
この橋を渡ると往路に合流し、再び西沢ゲートを抜ければ駐車場に戻ることが出来る。

 

 

活動記録

今回の西沢渓谷のコースはほぼ等高線沿いに歩いていくので、山頂を目指す登山に比べて身体的なハードルが低い。
AM6:00過ぎに歩き始めて写真を撮りながらゆっくり進んでも、正午には戻ってこれるようなライトな行程になる。

ただ先に述べたように行きは滝を巡る渓谷沿い、帰りはトロッコ軌道跡の迂回路を歩く一歩通行となるため、途中で引き返すことは出来ない。
なので靴、携帯トイレ等の装備だけはしっかりと揃えてから行くことは絶対である。

 

 

 

 

 

 

かざはなサラダ

オリジナルドレッシングを使った彩り豊かなサラダ

楽しい渓谷トレッキングが終わり小腹も空いてきたので、帰り道のフルーツライン近くにあるイタリアン「かざはな」に寄ることにした。

ここのパスタはサラダ・デザート・ドリンクが付いたコースが基本となる。
おすすめのから「きのことトマトソースのパスタ」を注文すると、何とも色鮮やかなサラダが運ばれてきて気分が踊る。
野菜一つ一つがとても美味しくて、ほんのり紫色をしたこのドレッシングにはぶどうが使われているそうだ。

 

 

かざはなきのことトマトソースのパスタ

おすすめパスタのセットは1800円

シェフ自ら運んで頂いたパスタはこじんまりとして見えるが、これでいてなかなか食べ甲斐がある量だった。
たっぷりのきのことトマトソースが自家製パスタに絡みつき、口の中でこれでもかというくらい旨味を絞り出してくる。

自分は安い舌の持ち主なので乾麺のパスタが好きなのだが、こんな自家製パスタならいつでも食べたいほど気に入った。

 

 

かざはなきのことトマトソースのパスタ2

トマトソースが自家製パスタに程よく絡み至福のひとときを得る

この「かざはな」のログハウス風の建物も非常に居心地が良くて気に入ってしまった。
店まで辿り着くには注意深く看板を探す必要があるが、この見つけにくさが居心地の良いこの店の秘密なのかもしれない。

他にもピザが美味しそうだったので、それは次回の楽しみにとっておくことにしよう。

 

 

 

 

 

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七ツ釜五段の滝

七ツ釜五段の滝を上段から見下ろす

長らく行き損じていた西沢渓谷にようやく足を入れることが出来て感無量の一日になった。

前月の立て続けの台風襲来により山梨へのアクセスは下道が寸断されてしまうなど被害も大きかったので、突然に思い立っての出発だったが西沢渓谷がシーズン中立入禁止などになっていなくてよかった。

しかし、その台風の影響なのか紅葉のボリュームは例年よりいささか物足りない気もしたので、新緑の時期を含めてここはリピートしていきたいと思う。