晩秋の赤城山 地蔵岳から望む赤城大沼と、日の出食堂のもつ煮定食

 

11月上旬の晴れた日に赤城山へ行ってきました。

紅葉狩りが目的でしたが紅葉は完全に終わっていて、赤城の山々は冬を迎える一歩手前。
紅葉がないのは残念でしたが、晩秋のトレッキングも晴天のおかげで気持ちよく楽しめました。

赤城山といえば「ヤマノススメ」の舞台にもなっており、せっかくなので彼女らの足取りを辿ることにしました。

 

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大洞駐車場から地蔵岳の直登ルートを登り、山頂から小沼・覚満淵を通って赤城神社まで。
地蔵岳山頂までは「ヤマノススメ原作コミック第5巻 三十五合目 雨の日の忘れもの」、そしてTVアニメ「ヤマノススメサードシーズン第8話・第9話」にて描かれています。
山頂から先はいきなり赤城神社にシーンが移るので、おそらく小沼・覚満淵ルートを下っていっただろうという予想です。
登山というほどでもないトレッキングコースですが、作中の様子をなぞって足を進めるとなかなか楽しい散策になりました。

 

 

 

 

登山口前の駐車場に到着
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地蔵山登山口の真ん前にある「大洞駐車場」に到着。
標高が高いせいかゴウゴウと強い風が絶え間なく吹き付けてきて、気温も4℃とかなり寒くなっていた。
朝まで仮眠を取るべく車の中で寝袋に潜り込む。毎晩使っている枕を持ってきたおかげか、激しい風音に邪魔されることなく一瞬で寝れた。

 

 

紅葉が終わっている地蔵岳を登る
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翌朝は稀に見る晴天になったが、あたりの風景を見て愕然とした。
昨晩は暗くて分からなかったが、紅葉は完全に終わってしまっていたようだ。
遅めなのは覚悟していたものの、ここまで早かったとは迂闊だった。
気を取り直して準備を開始、駐車場の目の前にある登山口へ向かった。

 

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地蔵岳へ直登するこのルートはなかなかの急登になっている。
距離は全然ないのだが、寝起きでいきなり急登を登ることになるので若干キツい。
朝露に濡れたクマザサを掻き分けながら、道が開ける中腹を目指す。
途中で鹿の群れが僕の真後ろを駆け抜けて行ってものすごく驚いた、熊じゃなくて良かった。

 

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「これ、あおいじゃ登れなかったかもな・・・」
最初の急登でひなたが心の中で呟くセリフだが、さすがにそこまでの急登ではなかった。
この時は二人は喧嘩の真っ最中でお互いに謝れずに日々を過ごしていた、つまり何をしてもあおいの事しか考えられないひなたの心境が語られた場面だったのだ。
素直になれずこのような憎まれ口を叩くなんて、まさにひなたらしいじゃないか。
なんてツンデレなやつなんだ。

 

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この辺りがひなたとここなの二人が休憩をした場所だろうか。
急登を登り始めて間もなく汗をかいてしまい、ずっと上着を脱ぎたかったのだが、ここまでの登山道では狭くてリュックも置けなかった。
マムートとかミレーの上着が欲しいがとても高いので、自然とモンベルおじさんになってしまった。

 

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登山口からここまで約30分ほど。
あとは緩やかな稜線を歩いていけば地蔵岳の山頂に到着する。
ちなみに赤城山という山は無く、黒檜山をはじめとする周辺の山々を総称して赤城山と呼ぶ。

 

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山頂に近くなるとずいぶんと雰囲気が変わった。

 

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紅葉を見ることは出来なかったが、瑞々しい苔の緑に救われたのであった。

 

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あのアンテナが立つ場所が地蔵岳の山頂。

 

 

地蔵岳山頂 赤城大沼を望む特等席で昼食
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体に酸素が回ってきてガンガン登れるようになったと思ったら山頂に着いてしまう、1時間ほどで登頂できる初心者向きの山だった。
しかし、このアンテナ群はなかなかエモい。

 

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当初は正面の黒檜山に登るつもりだったのだが、午前中はずっと黒檜山の山頂だけガスっていたので地蔵岳にして良かった。
地蔵岳の方が山頂の眺望も開けていて良い、しかし黒檜山の方は誰か雨男でも登ってしまったのだろうか。

 

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ひなたとここなが腰掛けてティータイムを過ごした場所を見つけたので僕もティータイムを嗜もうと思う。
ここは見晴らしも素晴らしいが風も吹きさらしのため、せっかく登りでほぐれた体が一気に冷えてしまった。

 

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最近セブンイレブンで売っている海苔無しの大葉味噌おにぎりは、完全に焼いて食べてくれと言わんばかりではないか。
山頂はものすごい風で調理出来ないと思ったが、SOTOウインドマスターとOPTIMUSの風防の組み合わせは最強であった。

このOPTIMUSの風防はコッヘルの外周にぴったり収納でき、余分な荷物にならない優れものなのでお薦めです。

 

 

 

 

 

小沼を目指して下山
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かなり早めの昼食も済んで体が温まったところで、小沼に向けて南側ルートを下り始める。
こちら側は木道で整備された道があり、非常に歩きやすいルートだった。

 

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後で大沼のボート屋の方に聞いた話だが、今年の紅葉は台風のせいで全然駄目だったそうだ。
もしかしたらシーズンに乗り遅れた僕への気遣いだったのかもしれないが、このくらいの山の感じも嫌いじゃないので楽しい散策だった。

 

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向こうに覚満淵が見えてきた。
手前の沼は目指す小沼ではなく、雨が降った時にだけ沼になる「血の池」だそうだ。

 

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登山道から一度車道を歩き小沼まで降りる。
車で来れるので観光客が多かった。

 

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小沼を見ているよりも歩いている方が楽しかったので、トイレだけ済ませて覚満淵へ向かった。
左手に赤城神社を見ながら気持ちの良いトレッキングルートを進む。

 

 

草紅葉が広がる覚満淵
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覚満淵は遊歩道で一周することができる小さめの湿原。
今回は左側の木道を通り、向こう側の赤城大沼へ抜けることにした。

 

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草紅葉が広がる美しい湿原で、車で乗り付けられるので観光客もたくさん来ていた。
ここは緑の季節にも来てみたいと思った。

 

 

最後は赤城神社へ
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最後はヤマノススメ同様に、赤城神社へお参りして帰ることにした。
最近何かのテレビで紹介されて観光客が多いそうだが、確かに人の密集度が高く車も駐車場待ちになっていた。
赤城神社はもともと有名で観光客も多いと認識していたが、そのTVで紹介される前は意外に閑散としていたのだろうか。

 

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赤城神社は女性に関係する神様を信仰する社ということで、安産のお守りなどが多く置いてあった。
そういえば作中でひなた達が買った登山のお守りを買い忘れてしまった。

 

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お参りも済んだので車に戻ることに。
対岸に先ほど登った地蔵岳と山頂のアンテナが見え、あの真下が車を停めてある駐車場だ。

 

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戻る途中に旧赤城神社跡があった。
現在の華やかな社と違いこちらの場所は鬱蒼としているものの、同時に荘厳とした神々しい雰囲気を感じる。
今はロープが張られて入れなくなっていたのだが、ここの何処かに軍艦赤城の石碑があるそうだ。

無事に駐車場に戻る。日中は埋まると思っていた駐車場も紅葉が終わっていたせいかガラガラだった。
晩秋の赤城山のトレッキングは楽しかったが、次はちゃんと紅葉に合わせて訪れたい。

 

 

 

 

日の出食堂のもつ煮定食
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群馬に来たら食べたいと思っていたもつ煮の有名店「日の出食堂」に寄ることにした。

 

 

群馬にもつ煮の有名店は幾つかあるが、その中でも気になっていたのが比較的あっさり目のもつ煮を提供してくれるという日の出食堂である。
山中の行列店は盆を縦にしないと座れないと言われているが、こちらはテーブルもしくは座敷でゆったり食べることが出来るのも有り難い。
店に入ると丁寧に案内され、来る客のほぼ全員がもつ煮を頼むのか「決まっていたらお伺いします」と言われる。
その場で「もつ煮定食」を注文するとあっという間に出てくるので、空腹を抱えてやって来た人には堪らない速さだ。

 

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よく煮込まれたもつ煮は臭みが全く無く、口の中で踊り弾み溶けていく。
辛そうな赤色をしているが全く辛くないので安心してほしい、辛いのが好みの方はテーブルに置いてある一味を好きなだけ入れればいい。
これは普通のもつ煮定食(700円)だが、お腹に自信があるのなら100円増しのおかず大盛りにしたほうが満足度がより高くなるだろう。

 

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小鉢の冷奴とお新香。
あっさりはしているものの一応は臓物料理ということだからだろうか、このお新香の充実具合は非常にありがたい。

 

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ご飯は普通で大盛りと言った感じで、かなり食べごたえがある。
それにしてもここのもつ煮は半端なく美味い、こってりよりもあっさりが好きな僕にはドンピシャの味付けだった。

また赤城山にくる理由が出来た。

 

 

 

 

というわけで「晩秋の赤城山 地蔵岳から望む赤城大沼と、日の出食堂のもつ煮定食」でした。

お目当ての紅葉には間に合わず残念な事になってしまいましたが、晩秋の山を歩くのはとても楽しくて充実した一日になりました。
本当は赤城山最高峰の黒檜山に登るつもりでしたが、YAMAPの山岳地図をダウンロードしたらヤマノススメ巡礼MAP仕様になっていたので、思わず地蔵岳に変更してしまいました。
サードシーズンはあまり登山の描写が無かったので、この赤城山の回は貴重でしたね。
次回は作中同様に、紅葉の美しい時に合わせて訪れてみたいと思います。