2022年の九州旅行へ出発 東京九州フェリー「それいゆ」と、佐世保レモンステーキセット

 

 

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自粛ムードも徐々に緩和されてきた中で迎える2022年のゴールデンウィーク。
2020年、2021年は家で自粛となっていた私も、今年こそは活動を再開しようと早い段階から旅行の計画を練っていた。

いくつかあった候補地から今回選んだのは九州。
移動の手段として、2021年に就航したばかりの東京九州フェリーを利用することにした。

東京九州フェリーは新造船「それいゆ」「はまゆう」を用い、約1000Km弱の横須賀〜新門司間を21時間で結んでいる。

私の住む神奈川から九州へ直に乗り込むことが出来る上に、ゴールデンウィークの渋滞も避けることが出来るという願ってもない移動手段である。

所要時間だけなら飛行機や新幹線には遠く及ばない。
だが、フェリーだと運転の疲労を負わずに自分の車を遠地へ持っていけるという計り知れないメリットが有る。

何よりも新造船での快適な船旅への期待が自分の中で大きく膨らみ、東京九州フェリーを使うことは必須で旅程を計画していたのであった。

 

 

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東京九州フェリー横須賀フェリーターミナル

出来たばかりの横須賀フェリーターミナルは綺麗で利用しやすい

東京九州フェリーの横須賀フェリーターミナルは横須賀中央駅から1kmも離れていない場所に位置している。
フェリーターミナルというのは大抵は辺鄙なところにあるイメージだが、横須賀フェリーターミナルに関してはアクセスは非常に良好だ。

今回は車なので横浜横須賀道路を利用、自宅から1時間もかからずにターミナルに到着できた。
ゴールデンウィーク前の天気予報には残念極まりないマークしか表示されておらず、出発日の横須賀も予報が的中しまさに暴風雨といった有様であった。

幸いなことに九州方面は予報が華麗に手のひら返しをしたようで、明日以降は嘘のような晴天が続くとのことだった、

 

 

出港前のそれいゆ

出港前点検中のそれいゆの巨大な船体

東京九州フェリーはネットでQRコードを取得していれば、わざわざ車を降りて受付する必要はなく、そのまま乗船出来る。
ツーリストS以上の個室の場合は、そのQRコードがルームキーとなるため非常に便利である。

なので車から降りる必要は全く無かったのだが、目の前に停泊している巨大なフェリーを見ない選択肢など無い。
暴風雨の中、まるでイオンモールの如く大きな船体とターミナルを見学して回ることにした。

横須賀フェリーターミナルの立地もあるが、船体はフレームに収まりきらないほどに大きい。
日本のフェリーの多くは全長が200m以下で建造されているが、東京九州フェリーが運用する「それいゆ」「はまゆう」はそれを超える224mの全長を誇る。

全長200m以上の大型船となると運行において様々な制約があるということだが、今回はその辺の細かい話は置いておこう。
この巨大な新造船に乗って旅行に行くなんて最高じゃないか。

 

 

はまゆうの模型

細部まで精巧に造り込まれたはまゆうの模型

横須賀フェリーターミナルの中に入ると、今回乗船する「それいゆ」の同型船である「はまゆう」の模型があった。

この船の大きな特徴としては、やはり垂直に切り立った艦首にあると言える。
最新の造船理論で生み出されたこの船体は、同グループの既存の船体に比べて省エネルギーなのだそうだ。

トラック154台、乗用車30台、旅客定員268名というスペックから見て取れるのは、巨大な船体の割にかなり余裕のある造りだということ。
特に旅客定員が他の航路のフェリーに比べ半分〜1/3程度というのが驚きで、これは貨物に特化した仕様ということだろうか。
かといって旅客を疎かにしている訳ではなく、全ての旅客にプライベートスペースがあてがわれ、豪華なレストラン、サウナ、さらにはプラネタリウムまで完備している。

 

 

車両甲板

車両甲板への誘導は非常にスムーズに行われた

事前に案内されていた22:50に車両の乗り込みが始まり、車両甲板へも実にスムーズに移動することができた。
一般車の積載数は約30台ということだったが、ぱっと見それ以上が待機していたようにも見えたが果たして。
ゴールデンウィークということで普通車の枠を増やしたりしていたのだろうか?

航路の所要時間は、横須賀を23:45発、新門司着は翌21:00となる。
3Fの車両甲板に車を置いたら、大量の荷物を抱え4Fの旅客ロビーの入口へ向かう。
約21時間も船内で過ごすのだから荷物も増えるというもの、しかも今回はツーリストSという個室を取ったので荷物の置き場は困らない。

 

 

横須賀フェリーターミナル

横須賀フェリーターミナルは戦艦三笠に隣接している

乗り込んでから出港まで1時間ほど時間があり、即風呂に行く人、レストランで夜食をとる人、パブリックスペースで集まりお酒を飲む人など過ごし方も様々。
私はというと部屋に落ち着いて間もなくデッキに上がり、雨は止んだが強風の吹き荒れる中で出港を待っていたのだった。

船は定刻の23:45に予定通り出港となり、横須賀のシンボルである戦艦三笠ともしばしの別れとなる。

 

 

タグボート

横須賀出港時にはタグボートの補助を受ける

横須賀から出港の時には2隻のタグボートによる補助が行われていた。
横須賀港を離れるまで並走していたので、その操船に思わず見入ってしまっていた。

この小さな船体で大きな船をものすごい力で押し出す、働く船を間近に見て大興奮の極みに達してしまった。
ちなみに往復で横須賀〜新門司航路を利用したが、タグボートが登場したのは横須賀出港の時だけだった。
横須賀出港の際は艦首を180°回転させなければならない為だろう、男の子には最高のショーであった。

 

 

 

東京九州フェリーオリジナルビーフカレー

夜食にぴったりの東京九州フェリーオリジナルビーフカレー

乗船からしばらくの間はレストランで夜食メニューを楽しむことが出来る。
「それいゆ」のレストランはモーニング、ランチ、ディナー、夜食と4パターンのメニュー構成となっており、この旅ではレストランを最大限に利用するつもりである。

出向して間もなく日付が変わり0時過ぎ、寝しなの生ビール目当てで夜食を摂ることにした。
自販機で缶ビールは買えるがここは生ビール、旅の始まりは生ビールに決まっている。
東京九州フェリーオリジナルビーフカレーと一緒に背徳の夜食を頂いたのだった。

 

 

それいゆ船内

船名である「それいゆ(ひまわり)」をイメージした柄のカーペット

東京九州フェリーの楽しいところは、翌朝に起きてもほぼ丸一日を船で過ごせるということだ。
正直、持て余すくらいの時間をどう過ごすか悩んでしまうほどである。

今回選択したツーリストSは鍵のかかる個室なので、安価でプライベートな空間を確保したい場合に適した選択肢だ。
しかし窓もなく悪く言えば独房感もあるので船旅を楽しむ場所ではない印象だった。
幸い最新のフェリーだけあってパブリックスペースは充実しているので、かなり多くの時間を個室の外で過ごすことになった。

 

 

それいゆ船内

吹き抜けにあるロビーは広々とした空間

4階から6階にかけて吹き抜けとなっているロビーは大型テレビとピアノを囲むような造りになっていた。
この日は大谷選手の試合を映していたので、他の方々と一緒に観戦して楽しんだ。

コロナ禍で就航したフェリーなので恐らくピアノは未だ使われていないようだが、終息すればピアノを活用する催しなどもあるのだろう。

 

 

東京九州フェリー洋食プレート

レストランの充実したメニューも船旅の楽しみのひとつ

朝食は洋食プレートをチョイス。
和食プレートやお粥などもあったのだが、朝食には何となくパンを選択してしまう性なのであった。

この朝食、見た目よりボリュームがあり思いのほか腹が膨れてしまった。
実はディナーに食べたいメニューがあるので、昼は抜いて夕食を早めにすることにした。

 

 

それいゆ展望デッキ

晴れた日の展望デッキは絶好の非日常スポット

高波のため早朝は閉鎖されていたデッキと大浴場は、朝食後にアナウンスが流れようやく開放された。

ゴールデンウィーク前の天気予報とは真反対の青空が気持ち良く、乗船中はデッキで日向ぼっこをしていることが多かった。
晴天とは言え海上のためやはり風は強く、持ち物が飛ばされないように注意と対策は必要。

 

 

はまゆうとそれいゆの行き交い

同型船との行き交いは乗船中の注目イベントのひとつ

10時頃になると新門司発の同型船「はまゆう」との行き交いがあるとアナウンスが流れた。
望遠レンズを装着しデッキへ向かうと、多くの人が行き交いを見ようと集まっていた。

行き交いでは子供たちが大変はしゃいでいたのだが、皆口々に「はまゆうだ!」と船名を言うので驚いた。
この子達はこの日を楽しみに船の名前を覚え過ごしていたのだと思い、おじさんもだよと心のなかでそっと呟いたのであった。

ちなみに行き交った「はまゆう」には今回の旅の復路で乗る予定となっている。
なのでいつもは疲れる帰り道も、今回はちょっと楽しみなのであった。

 

 

それいゆからの眺め

船上から刻一刻と変わる空の表情を眺めて過ごす一日だった

日中は船内施設散策ばかりしており、特に風呂がサウナと露天風呂まで完備していて非常に良かった。
あとは部屋で保存していた動画などを見て過ごしていたら、あっという間に日没になっていた。
新門司行きは進行方向に日没が見れるので、前方のフォワードサロンで見物も良いかもしれない。

現在地は佐田岬の沖あたり、目指す新門司港まではあともう少しだ。

 

 

東京九州フェリーの佐世保レモンステーキセット

熱々のスキレットで提供される佐世保レモンステーキセット

夕食は豪華にメニューの中で一番高額の「佐世保レモンステーキセット」を注文することに決めていた。
レモンの酸味がバターに溶けて香ばしく仕上がったソース、そして柔らかい肉がとても食べやすいステーキだった。

レストランはフェリーにしてはなかなかの味ではないだろうか。
結んでいる航路にゆかりのあるメニューが多いので、メニューを眺めているだけでも楽しい気分になれる。

そして何より、フェリーに多いバイキング形式に比べてリーズナブルであるという点だ。
バイキングにはバイキングの良さがあるが、一皿ごとに熱々の料理が出てくる方が私は好きなのである。

 

そして定刻通りに「それいゆ」は新門司港に入港し、アナウンスに従って各自下船の準備に入った。

車両甲板に降りて自分の車に乗り込んで間もなく順番通りの下船が始まり、ついに我が愛車で九州の土を踏んだのであった。

 

 

 

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いよいよ2022年ゴールデンウィークの旅が始まることになり、まずは東京九州フェリーで過ごした初日の体験から。
頻繁にフェリーでの移動をしている方にとっては何も珍しくない体験だが、私には大変な非日常空間での一日だったので大いに楽しむ事が出来たと思う。

今回の九州旅行で目指す場所はとりあえず2箇所。

まずは都井岬
ずっと行ってみたかった場所。
新門司から自走するとかなりの距離だが、行けないことは無いのなら行くしかない。

そして阿蘇
言わずとしれた九州の大自然を象徴する場所である。
地震での爪痕もまだ残っているが、ぜひ見ておきたい風景があるので外せない場所だ。

 

久々の旅の記事、うまく伝えられるか心配ですが見ていただけると嬉しいです。